いつかの景色と、 珈琲と #1

#1 『月の見える丘に』



まだ 薄暗い朝方、喉が渇いたので

モゾモゾと キッチンへと向かう

ふと見たリビングの、窓の方向

カーテンの隙間からは 月が見えた


月って、この時間

こんな場所にあるの?


何だかいま、それを確かめたくなって

少しだけ カーテンを開けてみた


月は目の前、真ん中にあった



大きな月をみると、いつも思いだす曲があった

B'zの、今夜月の見える丘に、という曲だ

Beautiful Life 〜ふたりでいた日々〜

当時、木村拓哉と常盤貴子が共演した

話題のドラマだった


昨日の最終回、観ました?

その時代、一つ下の階に住んでいた 同じ会社の彼女に

エレベーターで一緒になったとき、そう聞かれたのだ


そのときの私は とても忙しくて、リアルタイムで

ドラマを見られることなど 殆どなかった

見てないの〜でも 録画してあるから

そう言うと


信じられな〜い!

あのドラマ、昨日の最終回を

観てない人もいるんですね!

どうなったか 気になりません?


本当に驚いた顔をして 屈託なく笑う彼女

悪気など さらさらない




だけど、あの頃の私には 話題のドラマの

最終回でも、比べ物にならないほど

大事なことがあったのだ



あ、、何やってるんだろう

もう少し寝ようっと

まだまだ 充分にある この眠さに

あと少しだけ 微睡んでいたい


完全に 目を覚まさぬよう

薄目にしながら、キッチンへ


冷蔵庫から 水のボトルを出すと 飲みながら

リビングのソファへ ゆっくりと移動した


部屋の明かりは 付けていなかった

軽く触れたスマホに 青白く光る画面

なんとなく

天気予報のアプリを開く


目を覚ましたくないという割には

矛盾した明るさの ブルーライトを浴びながら、、


あぁ、そうだった

今日は 記録的な暑さになるって

天気予報でも

そう言ってたことを 思いだした




私の目覚めは まだ遠いけれど

身体の中心には、もう 冷たい水が流れていった


大丈夫、今日の暑さを 乗り切れると思った

東の空には もうすぐ 朝がやってくる

        

text by Cassis**.°  




《 いつかの景色と、 珈琲と 》


それこそ、いま自分がいる この世界を

外側から眺めてみれば

それはとても、小さな小さな 世界なのだ


世界は広いんだということは

国土面積云々じゃなくとも

その、さまざまなことを、一生のうちには

知り得ないモノが 殆どなのだろう


だけれど、これを、自分が生きている

世界として考えた場合

そこはどんなに小さくとも、その全ては

自分の世界、マイワールドなのである



さて、ピニョン・ピニョンストーリーズの 

素敵な世界観に

どうも、私の拙いエッセイなんていうのは

不釣り合いな気しか、しないのですが 笑

こんなのもあってもいいかナァ、とか

クスッとして貰えれば、今はだだ

それだけで 嬉しい気持ちです


自身のブログで書いている内容と

さほど 変わり映えしませんが

ピニョン ワールドの皆さまの お邪魔になりませんよう

置いていただこうかなと 思っております


いつか見たような景色と、そこに珈琲を添えて

あと少しだけ、、の、そんな時間に 感謝です⿻*.·


ご挨拶にかえて Cassis**.°